名水賛歌の取材を始めた理由
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私の名水への旅は、1995年頃からの山歩きに始まりました。山の自然と水に魅せられ、各地の山を登っては、そこの沢の水を飲んできました。いろいろ味わってきての感想としては、殺菌処理した水よりも自然の水が美味しいということです。特に美味しいと思うのは、山から突然湧き出す岩清水です。 臥竜山の「雪霊水」、立山の「玉殿の湧水」、利尻富士の「甘露泉水」、羊帝山の「ふきだし湧水」、屋久島の宮之浦岳の山中いたるところからしみ出る岩清水、大万木山の雪解け湧水、どれもみな、私にとって一生記憶に残るおいしい水でした。ひんやりと心地よい場所で、その場の石や木にしばし腰を掛け、清水のせせらぐ音を聞きながら飲む美味しい水。苦しい登山を経験したもののみが体験できるその味は格別でした。 このサイトでは、「名水賛歌」の取材をもとに県内約1000ケ所以上の情報を中心に、全国の水場データを掲載していきたいと思っています。全国の水場データは、2009.1現在、10000ヶ所以のデータを蓄積中です。 「名水とは飲めるもの」という定義にとらわれず、さらに広い視野に立ち、自分の目に止まった名水の由来を、可能な限り取りあげていきます。 広い視野で水場を見ることとは、歴史、民俗、神話、宗教、地理、地質、水質、水資源、水道行政、河川、源流、水脈、分水嶺、水生生物、森林の植生、自然環境保護、保全活動、経済活動、造園技術、景観、旧街道、登山ルート、伝説、ことわざetc…のあらゆる視点から見ていくことです。そうすることで生きて行く上で欠かせない大切な水の姿が見えてきます。全国名水百選の選定から外れた水場の中にも、名水と呼べるものが、たくさんあるということもわかってきました。 「名水賛歌」の取材を続ける中で、かつては名水といわれた湧水が、住宅開発により涸れていたり、過疎化によって、薮の中に隠れ忘れ去られていく水場をいくつも見てきました。いつかまた日の目を見るようにするには、資料を残しておくことが必要だと考えます。 21世紀、水の問題はますます深刻になるでしょう。その解決策が見えてくるように、取材活動をしていきたいと考えています。 名水フリーライター 錦川 鯉 |
問い合わせ:082-521-4397 担当:中村
錦川鯉プロフィール
名水フリーライター KN企画(KOI-NISHIKIGAWA PROJECT)代表 水琴窟師 広島県内1000ヶ所以上の名水、共同井戸、自然湧水など、水に由来する話を集めて、「錦川 鯉の名水賛歌」シリーズを出版しています。取材、写真展、バスツアー、講演活動を通して、水の大切さを伝えています。(名水賛歌広島版シリーズは、現在5冊出版しており、最終的に広島県だけでも6冊以上のシリーズになる予定です。) KN企画(KOI-NISHIKIGAWA PROJECT)では、自費出版のサポートをし、作家が独立して出版活動を続けられるようコンサルタント業務をしています。2005年2月、広島の水場を守る会を発足。2005年8月、西日本作家協会設立。 趣味:登山、釣り、園芸。(1957年生まれ、広島市在住) |
注意
◇マナーについて
名水賛歌は環境啓発の意味をこめて執筆したつもりです。マナーを守り思いやりのある水汲みをお願いします。
◇自己責任での飲用
このサイトで飲用可能と紹介したものは、すべて自己責任で飲用していただきますようお願いします。名水百選の水でも、選定理由が歴史のみ重視して選ばれたものもあり、うっかり飲むと大変です。たとえ飲用可能と表示されていても、持ってこられるタンクが青いタンクで塩化ビニールのものであれば、かえって有害にもなります。容器の内側が洗えず、緑の苔が発生したものを何度も使用している人も見かけます。いくら名水百選の水でも、役所側からすると、持ち帰った水をいつどう飲むかまで責任が持てないというところで、この現状を痛し痒しの表情でみています。そこで役場と水利権者とが相談の上、飲用は煮沸飲用としている場合も見受けられます。たとえ保健所の検査が表示されていたとしても水場は危険だと認識しておいてください。
◇危険について
このサイトでは、いくつかの登山コースや源流点も紹介していますが、この資料だけでは不十分ですので、別途資料を調べてから行動するとか、山に詳しい方と一緒に登るなどして、事故のないよう万全の登山装備でお登りください。
◇民間伝承として記述
このサイトでは、病気に効くという表現や、霊験などの表記は、民間伝承(口伝)として記しています。「神功皇后の三韓出兵は史実ではありえない」「卑弥呼は神功皇后」など、諸説ある内容や科学的でない内容についての真偽は、その専門家におまかせいたします。たとえ、話を権威付けするための創作の可能性があるとしても、本著では、神社の由来書、立看板資料、古老の口伝などを元に、民間伝承として、記述させていただきます。
◇その他
「閉:一般開放していません」「許:要許可」とあるものには、個人の所有なので、そっとしておいて欲しいものもあります。自薦他薦は問いませんが、基本的には、所有者の了解がとれるものを載せていくつもりです。所有者の迷惑のかからない範囲でとりあげていきたいと思っています。
添えられた地図やアクセスは、自分が迷った経験からできるだけ尋ねやすく工夫したつもりですが、新しい道路ができたり、目印の施設が無くなっている場合もあるかと思いますので御了承ください。
酒に関する文章においては、「醸造業での硬軟水等の区分表現」(名水賛歌広島版VOL3参照)で記述しています。
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