(広島県版) 


◇「つゆ太郎さんの水」(廿日市市上平良石ヶ小屋)

   
 「つゆ太郎」とは、梅雨時に姿を見せるという双蛇(夫婦の蛇)のことで、「異石」と呼ばれる大岩を住処にしていました。「つゆ太郎」を商売と安産の神様として祀った祠が「異石」の前に大小2つ建っています。

 つゆ太郎さんの水は、夏でも冬でも雨が降り続いても、干ばつの時でも、水量が一定で濁りがないので不思議がられています。鉱泉としても認定されており神経痛や慢性皮膚病や、胃に良く効くと言われています。また、ドブロクをつくった時代には、この水を使ったら「すいみ」がでないといって方々から水を汲みにきたと言われています。

 しめ縄を張られた大きな岩の割れ目から湧き出す水が、霊泉「つゆ太郎さんの水」です。水場下側の小川に突き出た太いパイプにもしっかり水が出ています。こちらは下にあるために、一見排水口に見えますが、地元に昔から住んでいる人は「下の方が本流で、水量が多く早く汲める。」と言います。ミネラルをほどよく含み、冷たくて口に含むとまろやかな味がする水です。

 休日には行列ができるほど人気があり、朝から夕方までひっきりなしにポリタンクをもった人がやってきては水を汲んでいきます。この水のファンの方にお話を伺うと「マンションの水は飲めなくてね……」「ご飯やコーヒーの味が違うよ」「水割りがうまい」「10日毎に水を汲みに来ている。」「毎週来ているし、九州の知人へも送る」など、まわりにいる人達皆から、嬉しさに溢れた声、水を誉め称える声がいくらでも返ってきます。ここに水を汲みに来る人達は、なぜか健康そうに見え、また家族みんなが幸せそうに見えます。

 この湧水を支えるのは西方面に聳える「のうが高原」(標高733m)です。この山の豊かな保水力が「つゆ太郎さんの水」を育んでいます。また、行政の方でも保全のための活動(草刈りや、水質調査)をされていますし、水害で足場の石やパイプが流されてもすぐ整えられます。水場の保存環境が良好なことから、ここを尋ねた人のほとんどが再度尋ねてきます。

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