(宮島版) 


世界遺産宮島の名水 誓真釣井(港町


誓真釣井(せいしんつるい)

「宮島の恩人」として慕われている僧誓真は、1742年(寛保2年)に伊予で生まれました。誓真は、若いころ広島で家業の米屋を手伝っていましたが、広島にいた時の窮状に心を痛め仏門に入り、宮島光明院で了単上人の導きを受けました。誓真は天明のころ飲料水の不足に苦しむ島民のために島内に10カ所井戸を掘りました。それらが今日、誓真釣井と呼ばれています。(現在は5ケ所に残っています。)

港町町内会の誓真釣井

宮島桟橋を降りて、右手に見える「御食事処・山一」さんから細い路地を入った突き当たりにあります。この井戸の数メートル先は当時海岸であったにもかかわらず塩気もなく干魃の時もこんこんと清水が湧き、しかもうまい水だと言うので町内各所から樽で水汲みに来る姿がみられた名水です。誓真地蔵尊を祀る祠には、お花や御供えものがいつも飾られ、水場も綺麗に掃除されています。誓真さんを地蔵尊として祀り、慕い崇められてきたことが伝わってくる立派な構えの祠です。

港町町内会では、毎月御地蔵様の日が24日と決められている他に、年に一度(8月24日)には、井戸を掃除しお祭をしています。お祭りでは消防団と町内会十数軒とで井戸(深さ3m)の水を抜き井戸替え掃除をしています。井戸の石垣の内側に生えたシダを抜いて綺麗に掃除するのは大仕事だそうです。掃除の後は、誓真地蔵尊の見守る路地で「水と誓真さんに感謝する」お祭りの宴が始まります。

津田式ポンプの柄を数回上下させると水が出始めます。飲んでみると冷たく角のとれた丸みのある味が島の貴重な水であることを語ってくれます。

また、最近では、東京や名古屋から「何月何日何時何分にこの水を汲みなさい」とのお告げがあって汲みに来られる人もいるそうです。地元の人に長寿が多いのも誓真釣井の霊水のお陰と信じられています。

◇誓真と宮島杓子について

誓真は多数の参拝客が訪れる宮島にこれといった土産物がないことに気付き、弁財天の琵琶にヒントを得た飯杓子を思いつきました。手先が器用だった誓真は自ら範を示しながら杓子の製作技術を島民に教え普及に努めました。その労が実を結び、宮島杓子は実用品としてばかりでなく「敵をメシとる」縁起ものとして全国に名を知られるようになり、この杓子が島民の生活に潤いをもたらしたました。高校野球(甲子園)での広島代表のチームの応援団は、「敵を召捕る」と「飯を取る」を引っ掛けて、宮島杓子を使い応援します。全国的に知られる宮島杓子2本を「カチ、カチ」と打ち鳴らし、「勝ち」を祈って応援しています。そのおかげか球児達の努力の賜か、甲子園での勝率も他県より高いのです。

(C)2003.錦川鯉の名水賛歌VOL.1より


 


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